東アジアの日本学研究者・教育者を中心とした国際学会

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目次

1.学会概要
2.学会の活動について
3.東アジア日本学研究学会役員名簿

学会概要

1.学会の発足にあたって

学会

中国の延辺大学主催で、第1回「中日韓朝言語文化比較研究国際シンポジウム」が開催されたのが2009年の夏です。それ以来、2年に1回のペースでシンポジウムを重ねてまいりました。そして2017年も、予定通り5回目のシンポジウムを成功裏に開催することが出来ました。

第1回大会は150人程度の規模のシンポジウムでしたが、回を追うごとに発展を遂げ、第5回大会は300名を超える規模にまで成長しました。中国の東北端に位置する延辺大学ではありますが、日本語を共通語としながら、日本と日本語に関する研究と教育に関わっている方々が一堂に会する国際的研究大会として、本シンポジウムはまれに見る成長を遂げることができました。

このような5回にわたる「中日韓朝言語文化比較研究国際シンポジウム」の経験を踏まえ、その成果を受け継ぎながら、私たちは、東アジアの日本学に関する国際的研究学会として、「東アジア日本学研究学会」を設立したいと考えました。

中日韓を中心とした東アジアにおいて、日本の言語・文学・社会・文化・歴史など、日本に関する研究と教育に携わっている研究者が、それぞれの研究や教育の成果を発表し、情報交換を行い、親睦を深め、共同研究や共同プロジェクトも行うことが出来るような国際的研究学会、しかも、各会員の研究成果を論文集として公表し、公的業績として承認される研究学会を設立したいと考えました。

東アジアの国家間ではいまだに、さまざまな政治問題が次々に浮上して、発展的な東アジア連携が進まない状況が続いています。しかし、私たちは研究者として、そして教育者として、グローバルな視点にたった連携が必要ではないでしょうか。東アジアの各地域で日本について、あるいは日本語について研究や教育に携わっている方々が、ひとつの学会に所属し活動することを通して、国際的ネットワークを構築し、国境を越えて助け合い支え合い、お互に知恵を出し合って問題解決のために努力し、さらには、そのような学会活動を通して、東アジア地域の平和と発展に貢献することができるような学会の設立を目指したいと考えています。


2.学会の活動について

『東アジア日本学研究学会』の目的とするところは、

(1)東アジアにおいて日本に関する研究と教育に携わっている会員が、それぞれの研究や教育の成果を発表し、討論することを通して、会員同士が切磋琢磨し成長できる学会にすること、

(2)学会活動を通して会員相互の親睦が深まり、国際的・学際的な連携が生じ、多様な共同研究が生まれる学会にすること、

(3)グローバルな視点にたって、東アジア地域がより良い社会になるために貢献できる学会になること、などです。

従来、国際日本学といえば、欧米の研究者による日本学、あるいは欧米のいわゆる近代先進諸国との比較にもとづき、欧米の研究者を意識しつつ日本及び日本人の特徴を明らかにするというものが主流でありましたし、ある意味では今もそうです。

それは、国際日本学を標榜している大学の多くが、欧米人を教員に採用し、あるいは英語で日本に関する論文を書けるようになることを目的に掲げていることからも言えると思います。

しかし、日本が明治以来、いわゆる「脱亜入欧」の目標を掲げて邁進してきた近代化の行く末に陰りが見えはじめ、一方で、東アジアにおける日本学研究者が著しく台頭するようになった今日、欧米の視点から日本を語るという従来の日本学に、もう一つ新たな視点からの日本学を付け加える必要が出てきたのではないでしょうか。

それは、東アジアの視点からの国際日本学です。それは日本を見る新たな視点を獲得することであり、日本を東アジアの中に再度位置づけなおすことでもあります。そのような東アジア日本学の試みは、日本が進むべき新たな道を見出す試みであり、同時に東アジアがこれから進むべき新たな道を見出す試みでもあります。東アジアの視点から日本を見つめ直すことは、日本を見つめ直すことを通して東アジアを見つめ直すことでもあるからです。

とはいえ、いまや東アジア全体が急速な近代化の中にあるのにくわえ、東アジアでも欧米流の研究を身につけた研究者が増えている中、「東アジアの視点」を維持することは容易なことではないかもしれませんが、今ならまだ十分に可能であるといえましょう。

ところで、研究者が研究を通して社会にどのような貢献ができるのでしょうか。もちろん、研究成果を出すことそのものが、それが新たな知の獲得である以上、間接的にではあっても社会的貢献であるに違いありません。そして、研究者はそのことをわきまえ、矜持をもって自らの研究に没入すべきであるということももっともなことです。

しかし一方、研究者が研究者という 立場でより直接的に社会に発信できることもあるのではないでしょうか。東アジア日本学研究学会は、東アジアを中心とした国際的・学際的な、日本学研究者を主要会員とする学会です。そのような研究者の集まりの中から、たとえば国際観光地の整備など、東アジア社会に対して何か貢献できることはないのか、そのようなことも考えているところです。


3.東アジア日本学研究学会役員名簿

<顧問>

山泉進(明治大学・名誉教授)

李漢燮(高麗大学・名誉教授)

<会長・理事>

金龍哲(東京福祉大学・教授)

<副会長・理事>

安達義弘(日韓言語文化交流センター・副代表)

李東哲(山東外事職業大学・教授)

権寧俊(新潟県立大学・教授)

崔光准(新羅大学・教授)

杉村泰(名古屋大学・教授)

鄭亨奎(日本大学・特任教授)

李東軍(蘇州大学・教授)

<常任理事>

岩野卓司(明治大学・教授)

崔粛京(富士大学・教授)

李慶国(追手門学院大学・教授)

金珽実(商丘師範学院・副教授)

金光林(新潟産業大学・教授)

<理事>

阿莉塔(浙江大学・副教授)

安勇花(延辺大学、副教授)

白暁光(西安外国語大学・副教授)

宮脇弘幸(大連外国語大学・客員教授)

李光赫(大連理工大学・副教授)

娜荷芽(内蒙古大学・副教授)

任星(厦門大学・副教授)

施晖(蘇州大学・教授)

王宗傑(浙江越秀外国語大学・教授)

徐瑛(浙江越秀外国語学院・副教授)

朴銀姫(延辺大学・教授)

中川良雄(京都外国語大学・教授)

堀江薫(新潟県立大学・名誉教授)

飯嶋美知子(北海道情報大学・准教授)

李昌玟(韓国外国語大学校・教授)

宮崎聖子(福岡女子大学・教授)

熊木勉(天理大学・教授)

伊月知子(愛媛大学・准教授)

張韶岩(中国海洋大学・教授)

崔玉花(延辺大学、副教授)

李東輝(大連外大・教授)

薛鳴(愛知大学・教授)

李先瑞(寧波理工大学・教授)

仲矢信介(東京国際大学・准教授)

加藤三保子(豊橋技術科学大学・特任教授)

<事務局>

事務局長 金珽実(商丘師範学院・副教授)

副事務局長 力丸美和(九州大学・助教)

<編集委員会>

委員長 杉村泰(名古屋大学・教授)

副委員長 加藤三保子(豊橋技術科学大学・特任教授)

<企画委員会>

委員長 権寧俊(新潟県立大学・教授)

副委員長 金光林(新潟産業大学・教授)

<2022年度研究大会実行委員会>

委員長 鄭亨奎(日本大学・特任教授)

副委員長 李慶国(追手門学院大学・教授)